導入事例

綜合病院 山口赤十字病院

少人数での管理を可能にする、IT資産管理機能を評価

PCの故障を予見できる機能で
診療への支障を最小限に

クライアント数:750CL
  • 事務部 企画課 情報システム係長 末永 利一郎 様
  • 事務部 企画課 主事 名越 万真 様
  • 病床数475床
  • 所在地山口県山口市

webサイト

綜合病院 山口赤十字病院は、山口県県央部の基幹病院として、救急医療を含む急性期医療を主体にした総合病院としての機能に加え、地域周産期母子医療センターや小児救急医療拠点病院として周産期医療や小児科医療に力を注いでいます。平成20年には地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、従来の緩和ケア医療とともに、地域におけるがん診療の質の向上のために努力を続けています。

綜合病院 山口赤十字病院様 外観

ポイント

  • 所定の資産管理台帳フォーマットに合わせた編集が容易で、本社への報告がスムーズに
  • トラブル時のシステムベンダーへの問い合わせにログを現象の証拠として提示
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導入の経緯

少人数体制でのIT資産管理の強化にツールの活用を検討

当院での導入目的は、情報システム業務の効率化でした。総合的な事業の企画、指導、調整を行っている日本赤十字社(本社)ではコンプライアンス強化への取り組みとして、各都道府県の支部や病院などの組織におけるIT資産管理を強化しており、本社への資産状況の報告を義務づけています。当院では、情報システム業務を企画課の情報システム担当2名と他業務を兼任している1名の計2.5名で対応しているため、情報収集から管理台帳作成に至るIT資産管理に関するすべての作業を効率化できる仕組みが必要だと考えていました。

従来は、院内のネットワークやPCの運用管理業務を行いながら、すべての部門を回り、PC約750台分の資産情報を集めるのに多くの工数がかかっていました。このまま手作業による現状把握を続けていくことが厳しい状況だったことから、IT資産管理ツールの導入を検討することにしました。

選定にあたっては、本社への報告に必要な情報がすべて収集できることに加え、情報セキュリティ対策としてのログ管理機能やUSBデバイス管理機能を搭載し、それらを統合的に管理できることを要件として4社のツールを比較検討しました。また、この先は物品管理を担当している用度課にもIT資産管理について協力してもらうこともあり得ると考え、誰にでもわかりやすいUIにもこだわりました。

その結果、PCに詳しくなくても操作できる点や、搭載されている機能のコストパフォーマンスの高さなどが決め手となり、「SKYMEC IT Manager」の導入を決定しました。

導入の効果

PCの故障時期を予測して予備端末機への円滑な交換を計画

病院では、24時間稼働し続けるPCが多数存在するため、導入から数年が経過すると急激に故障率が高まります。トラブルによりPCが停止すると、たとえ数分であっても診療に支障をきたしてしまうため、その都度素早い対応が求められます。しかし、すぐに原因がわからない場合には解決するまでにどうしても時間がかかってしまうため、あらかじめ故障しそうな時期が予測できる仕組みを求めていました。

「SKYMEC IT Manager」には、「端末機異常通知」機能が搭載されていますので、CPUやハードディスクの温度計測情報から障害の予測を立てられます。当院で発生しているPCトラブルは、約8割がハードディスクの障害に起因しているため、この機能はトラブルを未然に防ぐために非常に有効だと考えています。現在は、まだ機器の入れ替えから間がないので、PCの故障は発生していませんが、経年劣化によるトラブルの発生を予見できるようになれば、事前に予備端末機に交換しておくなどの対処が行えるため、円滑な診療に役立つと期待しています。

また、これまでは当院の経営層に対し、PCの経年変化をバスタブ曲線(縦軸:故障の発生する確率、横軸:使用年数で表す故障率曲線)で示し、PC入れ替えの必要性を訴えていました。しかし、それだけでは説得力に乏しく、故障しそうな端末が実際に存在しているとは認識してもらえないこともありました。今後は「端末機異常通知」に表示される情報を提示することで、当院のIT機器の現状を具体的に説明できるので、予算折衝の際などに有効活用できるのではないかと考えています。

「端末機状態 詳細表示」画面

導入の効果

グループツリーを活用しPCの状況を瞬時に把握

収集した資産情報は、本社への報告用にいったんCSVファイルへ書き出し、赤十字社指定のフォーマットに合わせた資産管理台帳に作り替えます。報告に必要な項目が収集できているので、あとは並べ替えを行うくらいで、それほど手間をかけることなく提出が完了できます。また、管理効率の向上のため、「SKYMEC IT Manager」の管理コンソール上に部署を作成し、各部署のPCを管理しています。これによってどこのフロアのどの部署に対応が必要なPCがあるのかひと目でわかるので、問い合わせやトラブル発生時にもすぐに状況が確認でき、少人数体制での運用管理の効率化に非常に役立っています。

そのほかにも、当院ではMicrosoft Wordの標準テンプレート(Normal.dotm)をカスタマイズし、作成する書類すべてのフォーマットとして使用しているため、PCの入れ替えやMicrosoft Officeのアップグレード時には、標準テンプレートの変更が必要になります。そこで、「ソフトウェア配布」機能を使用して管理機からクライアントPCへ標準テンプレートを配布しています。職員の手をわずらわすことなく、私どもが各部署を回って設定変更する必要もないので非常に効率的に作業を完了できます。このように、当院のPC運用管理にとって、「SKYMEC IT Manager」が欠かせないツールとなっています。

導入の効果

ログ情報の提示でシステムベンダーへの問い合わせがスムーズに

当院では、PC操作ログをシステムトラブルの解決にも活用しています。システム上の不具合が疑われる現象をシステムベンダーに問い合わせると、「そんな動きをすることはないので、システムの不具合ではない」と回答されてしまうことがあります。そんなときは、発生した現象の証拠としてログをベンダーに提示することで、システム上のトラブルであることを理解してもらえるため、非常に有効な活用方法だと感じています。

そのほか、ソフトウェアの使用頻度のチェックにもログを活用しています。使用頻度が低ければアンインストールするなどして不要なライセンス購入を防止し、ソフトウェアライセンスの最適化に努めています。

(2014年12月取材)